田中正信さん

フェブラリーSの追い切り注目馬

■2月21日(日)
東京競馬場 ダ1600m 定量
フェブラリーS(GI)


■1枠2番インティ
厩舎:野中賢二(栗)
騎手:武豊
馬主:武田茂男
生産:山下恭茂

やはり単騎で行けないと脆い。これが前走の全てであろう。なまじ2走前に控える形でそれなりの結果が出てしまったのも良くなかったか。早々と行き切ってしまえば良かったものをスタートして、しばらく周りのアクションを待ってしまった。結果、取っ替え引っ替えで絡まれる形に…。そもそも周りに気を使って集中力散漫になるのがネックの馬、あれだけリズムを崩されてしまってはボロボロの大敗劇も仕方なしと言えよう。とはいえ、そういうタイプではある。浮き沈みは激しい。ここで急に自分のリズムで走れたからとガラリ一変して勝たれても全く不思議はないのだ。何せ、それだけのポテンシャルを未だに秘めていることも疑いようのない事実なのだから。そして、もちろん陣営もそれは分かっている。だからこそ、この中間はこれまでのように変に折り合い面を考慮した学習的なメニューではなく、元々の同馬を気持ち良く走らせることを主目的とした調整へと戻してきた。1週前はコースで、直前は坂路でと単走で淡々と自分のリズムを刻ませて集中力を高めていく。大雪の中、鋭い反応を見せたことが1つの答え。やはり自分のペースさえ乱されなければ弾ける。動きに柔らかみも十分でデキには全く不安なし。スンナリなら恐い。


■2枠3番カフェファラオ
厩舎:堀宣行(美)
騎手:C.ルメール
馬主:西川光一
生産:Paul P. Pompa

これまでと違って中間で5本もDWコースを使用して負荷をかけてきたというのが、今回の堀厩舎の本気度の現れ。この厩舎の調整の肝は、何と言っても追い日のDWコースの内容。ただでさえ負荷のかかるコースを使っての濃いメニューにこそある。一見すると遅い時計にしか見えなくとも侮ってはいけない。実際は驚くほどに心身にストレスのかかるハードなものだったりするのだ。故に中間全体で馬それぞれがこなせる本数は限られている。昨年までの同馬は4本がリミット。続けて使ったJDDでレース前の時点でボロボロとなっていたように、フレッシュな状態でも4本こなさせると1レースが限界。要はギリギリまで攻めて4本だったのである。それを今回は5本も消化させてきた。もちろん、耐えられるだけの心身の成長を感じたからこそだろうが、その僅かな成長を見逃さず鍛えてくる辺りはさすがとしか言いようがない。極端なギアチェンジを課してきた分、遅れたりしているが全てはコントロール強化が目的。遅れたから体調が悪いなどという浅い結論にはくれぐれも辿り着かないで欲しい。直前の颯爽とした走りを見ての通り、伸びも集中力も十分。


■3枠6番アルクトス
厩舎:栗田徹(美)
騎手:田辺裕信
馬主:山口功一郎
生産:須崎牧場

ハッキリ言って、ここは明らかに狙っていた一戦である。というのも前走の仕上げ方というのは、順調だった割にヌルいとしか言いようがなかったからだ。ただ、それは何も悪いことではない。むしろ当然。久々で59キロの酷量を背負っていたというのが前走の状況。そして、前走はあくまで前哨戦、加えて本番で除外とならないだけの賞金も確保できていたとあらば、なぜに前走で目一の仕上げをする必要があるのか。次走でピークを持っていく為の下準備に徹する、これこそが、むしろ前走時の中間の正しい位置付けと言えよう。そして、これを実行していたのである。最近の直前の鉄板パターンは坂路で4F51秒台の併せ馬でトップまでギアを入れてスイッチオンというもの。だが前走は4F54秒を切らした程度と明確にスイッチを入れ切っていないのだ。研ぎ澄まし切らないことで前哨戦1レース分のエネルギーの消耗と相殺する、そんなシビアな仕上げだったのである。だからこそ、この中間は回復に少しも手間取った様子が見られない。今度こそと言わんばかりに直前は坂路で4F51秒台の併せ馬を敢行しスイッチオン。大きなストライドで迫力満点と動き自体も前走とは雲泥の差。


■5枠9番サンライズノヴァ
厩舎:音無秀孝(栗)
騎手:松若風馬
馬主:松岡隆雄
生産:ヤナガワ牧場

元々テンションの高いタイプではあったが、ここまで傾向がハッキリしていると非常に分かりやすいと言える。続けて使うとガスの溜まっていくタイプ。必ずしも詰めたレース間でのパフォーマンスが久々時に劣るというわけではないが、それでも理想はレース間をあけての一発仕様での調整を施した時であろう。フレッシュな状態で究極まで積み上げての臨戦、これこそが同馬が最も安定してレベルの高い走りを見せる可能性の高い調整では。そう、まさしく今回がそのベストに最も近いのである。究極に積み上げるといっても調教は動くタイプ。健康面に何事もなく順調でさえあれば、そこは特に難しい作業ではない。4週で5本なら量としては十分、質に関しても直近3週の追い日は調教駆けするOP馬を相手にバリバリと追われて1週毎に時計も詰めてきているとくれば、まさしく限界まで積み上げられたのではないだろうか。実際に直前では、一昨年のマイル王である、あのインディチャンプを叩き合いで寄せ付けなかったぐらい。心身共に研ぎ澄ませるだけ研ぎ澄ますことができたといっても過言ではないのでは。府中のダートは庭のように得意としてきた馬。もちろん舞台設定にも不足なし。展開一つで勝機も十分。


■7枠14番オーヴェルニュ
厩舎:西村真幸(栗)
騎手:丸山元気
馬主:杉山忠国
生産:明治牧場

ここにきて3連勝中だが、決して相手関係や展開面に恵まれただけで成してきたものではない。単純に折り合い面に進境を見せた結果に過ぎない。それは今回の直前を久しぶりにCWコースで長目から動かせたことにも通じよう。以前はリキんで仕方なかった。元々が短距離中心に使われてきた馬。本質はスピード溢れる走りたがり屋さんでしかない。ただ昔からレースセンスに非凡な才を見せてもいた。だからこそ、あえて中距離路線で勝負させ続けてきたのである。そして、その陣営のジャッジがここにきて実を結びつつある。リキむ面が緩和したことで集中力アップ、より長く脚が使えるように。これによって持ち前の機動力がより活かせるようになった結果が、この3連勝ということ。これは調教でも同様のことが言える。以前であれば、オーバーワークが恐くて直前でCWコースで長目からなどできはしなかった。だが今回はCWコースを使用して、わざわざ直線で仕掛けて更なる負荷をプラスアルファしているぐらい。それぐらいに今や精神的にシッカリしているということ。弾むようなフットワークで真一文字の伸びとここまでくると今の充実振りを疑う余地はなし。デキはまさしくピーク。






栗山求さん

東京11R フェブラリーS(G1) ダート1600m OP 定量

◎9サンライズノヴァ
○6アルクトス
▲3カフェファラオ
△2インティ
△13ソリストサンダー
△10エアスピネル

<見解>
◎サンライズノヴァは
「ゴールドアリュール×サンダーガルチ」という組み合わせで、
サンライズバッカス(フェブラリーS、武蔵野S)、
マコトスパルビエロ(日本テレビ盃-Jpn2など重賞4勝)がいる
パワー型の一族に属している。

母方にミスタープロスペクターとロベルトを併せ持つ
ゴールドアリュール産駒にはコパノリッキー(最優秀ダートホース)、
オーロマイスター(マイルCS南部杯)、
ランウェイワルツ(兵庫チャンピオンシップ-2着)がいる。

東京ダ1600mでは武蔵野S(G3)を2回にユニコーンS(G3)を勝ち、
昨年のフェブラリーS(G1)では3着と健闘している。

ゴールドアリュール産駒は東京ダ1600mの鬼で、
過去にこのコースで重賞を9勝。


フェブラリーSに限ると4勝しており、2010年以降の11年間で、
馬券に絡めなかった年はわずか2回しかない。

前走のチャンピオンSは12着と大敗したものの、
距離が長かったので参考外。

2走前の武蔵野Sは58kg、
4走前のプロキオンS(G3)は59kgを背負って勝っており、
地力が高さは出走馬のなかで最上位クラス。

3走前のマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)は4着だったが、
超高速決着に対応できなかっただけで、
通常レベルのコンディションなら崩れる可能性は低いだろう。





競馬コラム「水島晴之の単複で買え」

1勝馬でも力あるゲンパチフォルツァ狙う/東京9R

東京9R (9)ゲンパチフォルツァを狙う。前走は道悪(重)で前残りの競馬になる中、上がり最速タイの上がり35秒6で3着に入った。新馬から400メートルの距離延長、初の左回りを考えれば上々の内容だ。東京マイルを経験したことで、今回はもう少し攻めた騎乗ができる。1勝馬で格上挑戦の形だが、潜在能力はヒケを取らない。単勝2000円、複勝3000円。

東京11R フェブラリーSは(6)アルクトスで勝負だ。前走の根岸Sは直線で前が壁になり、追い出しが遅れた。大型馬で速い脚がない分、上位馬には切れ負けした形だが、それでも勝ったレッドルゼルとは0秒2差。以前に比べると俊敏性が出てきた。1回使って状態は上向き。好位の外めからスムーズに加速できれば押し切れる。単勝5000円。(ここまでの収支 マイナス7万5600円)






【フェブラリーS】東京ダート1600mコースデータ&注目馬
狩野雄太さん


◆フェブラリーSのポイント◆
フェブラリーステークス(G1)が行われるダート1600m戦は、JRAでは東京競馬場でしか設定されていない距離だ。

他場では行われない『特殊条件』のため、フェブラリーSは1400m以下を中心に使っていた「短距離組」と、1800m以上のレースに出走していた「中距離組」が激突する。

東京ダ1600mの特徴として、他場のダート戦より直線が長いことが挙げられる。

その影響か、スピードを武器に前走1400m以下を使っていた「短距離組」が不振。

前走1800m以上のレースを使っていた「中距離組」が圧倒している。

▼フェブラリーSの前走距離別成績(過去10年)
距離延長[4-2-2-63]複勝率11.3%
同距離 [0-0-1- 6]複勝率14.3%
距離短縮[6-8-7-59]複勝率26.3%

マイル以上の中距離を使っていた馬の中でも好走率が高いのは、「前走JRAのレースでメンバー1~3位の上がりをマークした馬」。過去10年での成績は[3-3-2-9]勝率17.6%、連対率35.3%、複勝率47.1%まで上昇する。

該当馬はノンコノユメ、ゴールドドリームなどの人気馬だけでなく、16年3着アスカノロマン(7人気)、15年2着インカンテーション(5人気)などの伏兵も激走。特に東京と同じ左回りの中京ダ1800mで、鋭い決め手を使いながら負けていた人気薄が狙い目だ。

◆フェブラリーSの注目馬◆
エアスピネル

前走のチャンピオンズCではメンバー3位タイの上がりを使いながら7着。過去の好走パターンに合致する。2走前にはフェブラリーSと同舞台の武蔵野Sで3着に好走しており、直線の長い東京コースで得意の距離なら激走が期待できる。







フェブラリーS・安藤勝己さん

◎ ⑥アルクトス
○ ⑯レッドルゼル
▲ ⑭オーヴェルニュ
☆ ⑨サンライズノヴァ
△ ②インティ
△ ⑦ワンダーリーデル
△ ①エアアルマス

かねてからオレ好みの馬体で、東京ダート1600mで4勝しとるアルクトスが本命。昨秋の南部杯でのレコード走破も大きい。盛岡ダートは時計が出るコースとはいえ、1分32秒8って芝並みの時計で勝ち切っとるわけやからな。芝スタートかつ軽い東京ダートで時計勝負になっても持ち味が十分発揮できるというわけや。当時破ったメンバーも今回のフェブラリーSより明らかに揃っとった。前走(根岸S)は4着止まりやったけど、斤量59キロを背負っとった上に、外枠から発走したのに直線内に入ってもうて、かなり窮屈な競馬を強いられたでな。前哨戦とすれば上々の内容で、本番は前進あっても後退なしと考えたい。

カペラS(2着)に根岸S(1着)と波に乗っとるレッドルゼルが対抗。問題はこれまで経験した距離が1400mまでで、1600mは初めてという点。それでも近走の競馬ぶりなら我慢できると思うで。今回は実力が伯仲しとるで、多くの馬が勝ちにいく分、この馬の差し脚が活きる展開になるんやないかな。オーヴェルニュは前哨戦の東海Sを含めて3連勝中。昨秋から急激に力をつけてきた。ベストは5勝しとる1800mなんやろけど、直線の長い東京ならマイルでも対応してくるイメージ。サンライズノヴァはアルクトスを上回る当舞台で5勝。典型的な差し馬やから展開に左右される面はあるにしても、確実に突っ込んでくる。チャンピオンズCの12着は適性のない舞台ってことで割り切ってええやろ。

一昨年のフェブラリーSを最後に勝ち星から見放されとるインティは、自分のリズムで走れさえすればいつ復活があっても驚けん。ピンかパーかになりそうな枠でも、今年のメンバーなら蹴れない。8歳馬で甘く見られがちなワンダーリーデルは1400mなら1600mってタイプ。手綱もノリに戻って見返りの大きさを考えれば、また圏内に突っ込んでくることは想定しておくべきやろな。隣枠インティとの兼ね合いが鍵やろけど、エアアルマスはイチかバチかの競馬ができる並び。松山が続けて乗ってきとるのもやっぱり怖いね。





水上学の血統トレジャーハンティング

日曜東京11R フェブラリーステークス(G1)

◎本命馬
⑥アルクトス
(牡6、美浦・栗田厩舎、田辺騎手)
混戦模様となっている今年のフェブラリーS 。枠の並びがまた微妙で、外枠が欲しかったカフェファラオやインティが揃って内へ入った。また短い所を使っていた前に行きたい馬たちがインティと近い枠に入り、ペースは締まりそうだ。こうした流れに強く、スピード要素のかったダート馬=⑥アルクトスを軸にしたい。

戦績を見れば、ワンターンコースでこそ。左回りベターも歴然だ。また父方の祖父アグネスタキオンの血統に眠る、強いダートの要素を継承している。さらに母の父シンボリクリスエスは、サクセスブロッケンやダノンカモン、近年ではヴァンスレーヴなど、東京ダートの申し子たちを輩出している。

盛岡・南部杯で大レコードを出した反動もないようで、去年大敗した急仕上げの休み明けとは雲泥の差で臨めそう。度肝を抜いた盛岡以来のマイル戦、府中の杜で中央G1初制覇の歓喜に包まれたい。

$お宝馬
⑩エアスピネル
(牡8、栗東・笹田厩舎、鮫島駿騎手)
最大の惑星はこれだろう。芝ダートの適性抜きに、純粋に競走馬としての能力を見れば、メンバー中トップかもしれないことは戦績から明らかだ。

この馬は間隔を空けた方が走れる。2か月以上空くと【3-2-3-4】。そのうち2000m以上をカットすると【3-2-3-1】であり、4着以下1回も4着だ。芝ダートの二刀流も、キングカメハメハ産駒ならベルシャザールやレッツゴードンキの例がある。高齢馬がヒモ穴を出す傾向のあるレースでもあり、一発狙いたい。

相手上位は ⑨サンライズノヴァ、⑭オーヴェルニュ、⑯レッドルゼル。 押さえに ③カフェファラオ、⑦ワンダーリーデル、⑬ソリストサンダー、②インティ。






境和樹の穴馬券ネオメソッド

東京11R フェブラリーS(GⅠ)(ダ1600m)

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フェブラリーSは、同じダートGⅠのチャンピオンズCと異なり、米国血統の支配力が強いレース。

ボールドルーラー、ストームキャットを筆頭に、米国性の強い血統を狙うのが正着です。

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昨年の勝ち馬モズアスコットは、母父にストームキャット系ヘネシーを保持した米国産馬。一昨年の勝ち馬インティも、父は米国GⅠ3勝のケイムホームでした。
その他、ボールドルーラー系シニスターミニスター産駒インカンテーションは18年6人気3着、15年5人気2着と2度馬券に入っており、同系統のマジェスティックウォリアー産駒ベストウォーリアも17年、15年と2度馬券になっています。

暮れの中京で行われるチャンピオンズCは、現役時代を日本で過ごした和風血統が好走しやすいレースですが、このフェブラリーSは毛色が異なり、米国血統が肝になるケースが非常に多いことが特徴です。

2021februarys03.png

その米国血統の立ち向かうのがゴールドアリュール。

昨年も唯一の該当馬だったサンライズノヴァが3着と馬券圏内を確保。
過去、フェブラリーSに出走したゴールドアリュール産駒は【4-4-1-13/22】勝率18.2%、連対率36.4%、複勝率40.9%。単体種牡馬の成績としては極めて優秀な数字と言えます。
3回出走してオール連対と抜群のレース適性を誇ったゴールドドリームを筆頭に、16人気1着を含み2勝しているコパノリッキー、1人気で制した2年後に9人気で2着と激走したエスポワールシチーなど馬券的にも大活躍、米国血統を追随しています。

今年のフェブラリーSも、この2つの血統ポイントを重視。

①エアアルマス
(父マジェスティックウォリアー)

②インティ
(父ケイムホーム)

③カフェファラオ
(父アメリカンファラオ)

⑦ワンダーリーデル
(父スタチューオブリバティ)

⑧ワイドファラオ
(父ヘニーヒューズ)

⑪スマートダンディー
(父エンパイアメーカー)

⑫ヤマニンアンプリメ
(父シニスターミニスター)

⑮ミューチャリー
(父パイロ)

⑦ワンダーリーデルは、父がストームキャット系スタチューオブリバティで血統テーマをクリアする存在。

典型的な叩き良化型で、前走2着は望外の走り。武蔵野S勝ちのほか、昨年のフェブラリーSでも0.4秒差4着と健闘しており、自身のコース適性も証明済み。8歳にして衰え知らずの古豪。突き抜けるところまであると見ています。






採れたて!トレセン情報

関西事情通のちょっとイイ?話
フェブラリーS(G1)
GⅠの舞台で続投!
今度こそ悲願のGⅠタイトルを


今年のJRAGI第一弾のフェブラリーステークス。同日には小倉でも小倉大賞典が行われるため、ジョッキーの移動も多い。

先週も取り上げた、日本人騎手で今年ここまで最も勝ち星を上げている松山騎手は、小倉大賞典に前走自らの手で重賞を勝たせたボッケリーニが出走しているが、フェブラリーステークスでの騎乗を選択した。

GIの舞台だから当然?

いえいえ、ボッケリーニについては前走時もこのコーナーで触れたが、遅咲きで5歳を迎えてから中山金杯・京都記念と連勝し、その後鳴尾記念を勝ち、宝塚記念でGI制覇、秋も・京都大賞典・秋の天皇賞と連勝、その年はGI2勝を含み重賞6勝の大活躍だったラブリーデイの全弟。その兄同様に、5歳を迎えて充実期に入り、今年の中距離GI戦線で脚光を浴びる存在にもなり得る素質馬。チャンピオンSで大敗しているエアアルマスでは無くボッケリーニを選んでもおかしくない。

しかし松山騎手は、迷わずエアアルマスを選択したという。

その理由は、自らの手で制した昨年の東海ステークスの時、「間違いなくGIを狙える力がある」と手応えを感じていたからだ。

その後、残念ながら骨折してしまい戦線離脱、復帰から2戦は結果が出ていないが、そもそも芝時代はマイル戦で勝ち鞍を上げていた様に、距離短縮は間違いなくプラス。さらに順調に使って来た上積みもある。

その話を聞けば、松山騎手の即決にも頷ける。

同じエアの冠、エアスピネルの鞍上鮫島克駿騎手も、小倉大賞典には、昨年自らの初重賞制覇をプレゼントしてくれたカデナが出走。その後の大阪杯、宝塚記念とGI戦線でも手綱を取って来ただけに思い入れもある。

さらに、この小倉開催のリーディング争いでも、先週終了時点で吉田隼人騎手と勝ち鞍で並んでおり、リーディング獲得のために大事な最終日でもある。

にも関わらず、フェブラリーステークスで騎乗するのは、単純にGIだからというワケでは無く、エアスピネルにそれだけの可能性を感じているからに他ならない。

手綱を取るのは昨年のプロキオンステークス以来だが、当時の手応えからチャンスがあると踏んでいる。

そもそも、マイルチャンピオンシップや朝日杯フューチュリティステークスでハナ差2着している様に、マイルの舞台は歓迎。芝スタートもプラスになる。

このエアの2頭は鞍上的にも注目なのだが…

もう一人、何と言っても注目なのが…松若騎手。

手綱を取るのは、今年で4年連続の参戦となるサンライズノヴァ。

昨夏から再び手綱を取り、プロキオンステークスと武蔵野ステークスを制覇。ただ前走のチャンピオンズカップで大敗を喫した事で、「やはりGIの舞台では…」と、今回はオーナーサイドの意向で乗り替わりが噂されていた。

結果的には、恐らく上位騎手がいなかった事で続投となったようだが、本人とすれば、自厩舎の馬でもあり期するところがある。

昨年3着、その時の上位2頭が居ない今年はチャンスだろう。

エアの二人も注目だが、松若騎手の乗るサンライズノヴァにはより注目してみたい。


美浦『聞き屋』の囁き
フェブラリーS(G1)
どちらの陣営も手応えは十分!
少数精鋭で西高東低に立ち向かう


ダート路線は長い間、西高東低の時代が続いている。

今年のフェブラリーSはフルゲート16頭に対して、14頭が関西馬で、2頭が関東馬。

ちなみに去年のチャンピンズカップは13頭が関西馬で、3頭が関東馬。

去年のフェブラリーSは今年と同じで14頭が関西馬で、関東馬は2頭だけ。

去年と今年のフェブラリーS、2頭のうち1頭は去年も今年もアルクトス。

つまり、関東のダート路線は新興勢力の台頭が著しく少ない、ということになる。

関東ダート路線をけん引しているアルクトスは7~8分だった根岸Sを叩いて急上昇。

辛口コメントで知られている田辺騎手だが、今回はいつになく高評価。

根岸Sは仕上がり途上でありながら、59キロという酷量を背負って一旦先頭で見せ場を作った内容が素晴らしく、最終追い切りで予想以上の上昇曲線を描いて良化していることでご機嫌だったようだ。

相手は強くなっているが、と前置きしながらも、チャンスはあると前向きなコメント。

人気薄の田辺騎手は思い切った競馬をしてくるので怖い存在になりそうだ。

メンバー中、唯一の4歳馬カフェファラオ。

6戦4勝で、負けている2戦にはともに明確な敗因があり、それを修正していくために放牧には出さずにトレセンでじっくりと調整。

チャンピンズカップでは完敗の6着ではあるが、レース後に堀調教師がルメール騎手サイドにフェブラリーSでの騎乗を打診したところ、即決でコンビ継続が決定。

当然、引く手あまたのルメール騎手が、他の依頼と比較する前に、返事を保留せずにカフェファラオでフェブラリーSへ向かうと決断。若さゆえのモロさはあるが、やはりその高い能力は前走で十分に感じたということだろう。

管理する堀調教師も先々は海外遠征を視野に入れており、その能力はワールドクラスと感じ取っているようだ。6~8歳の古豪が幅を利かせているダート界に唯一の4歳馬がどう戦いを挑むのか。

若い世代が活躍してこそ活性化するもの。

関東馬は2頭だけだが、どちらの陣営も手応えは十分あり。

少数精鋭で西高東低に立ち向かう。







日曜メインレース展望・柏木収保

【フェブラリーS予想】ラトロワンヌより続くアメリカ色の濃い子孫たち

例年以上に根岸S好走馬が有利になりそう


 近年のフェブラリーSの出走馬には、父母両系ともにアメリカ色の濃い血統背景をもつ馬がほとんど。そのためヨーロッパからアメリカに渡って繁殖牝馬として大成功したラトロワンヌ(1926年生まれ)を牝祖に持つ馬が含まれる。

 世界の名馬物語に登場する繁殖牝馬ラトロワンヌの著名な子孫には、バックパサー、ウッドマン、サンデーサイレンスの好敵手だったイージーゴア、プレザントタップ、ゴーフォージン、パーソナリティ…などがいる。

 フェブラリーSに関係するところでは、2020年に16番人気で2着したケイティブレイブ、2000年の勝ち馬ウイングアローの父アサティス、1999年にメイセイオペラの2着したエムアイブランがラトロワンヌの直系子孫にあたる。

 今年は、人気のアルクトス、レッドルゼルがラトロワンヌ直系の子孫。もちろん、同じファミリーに属するというだけのこと。一世紀も前の牝馬の影響力などないが、この牝系には何代にもわたりアメリカ色の濃い種牡馬が配されてきたので、パワフルなダート向きの迫力と、スピード能力は重なるように保たれている。

 それもあって、アルクトス(父アドマイヤオーラ)も、レッドルゼル(父ロードカナロア)も時計勝負は歓迎。時計が速くなるほどチャンスは大きくなる。とくにアルクトスの南部杯は1分32秒7の大記録。昨年9着だったフェブラリーS当時とは激変してみせた。1分32秒8の2着が、昨年のフェブラリー1着のモズアスコットだから価値がある。

 出走馬16頭がみんな持ち時計を更新した特殊な高速コンディションなので、数字はそのまま信用できないが、力関係が芝よりストレートに出ることが多いとされるダート戦のためか、不思議な結果が生じた。

 昨年のフェブラリーSは、3着サンライズノヴァ、4着ワンダーリーデル、12着ワイドファラオ、14着インティの順だった。この4頭、異常に時計が速くなった南部杯でもその順に「4、5、7、9」着であり、みんな自己最高時計を更新することになったが、南部杯の着順は昨年のフェブラリーSの入着順位とそっくり同じ順番だった。

 1800-2000m級のGI好走馬が少なく、例年以上に根岸S好走馬が有利になりそうな今年は、大きく変身したアルクトスを中心にしたい。今度は2キロ軽くなる定量57キロ。先着を許したレッドルゼル、ワンダーリーデルは、逆に1キロ増の57キロ。差し引き3キロの差が生じるのは大きい。

 怖い相手は、武蔵野Sで2着に突っ込んだソリストサンダー、東京の1600mなら巻き返してくるカフェファラオ、好調レッドルゼル。そしてなぜか騎手がずっと決まらなかったオーヴェルニュがその次。サンライズノヴァ、ワンダーリーデル、インティはオッズと相談の抑えにしたい。
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