田中正信 さん

中山記念の追い切り注目馬

■2月28日(日)
中山競馬場 芝1800m 別定
中山記念(GII)


■1枠1番トーセンスーリヤ
厩舎:小野次郎(美)
騎手:横山和生
馬主:島川隆哉
生産:(有)エスティファーム

走りたがり屋ということもあり調教直結型。全快で動かすことでガスを抜くという目的もあるからこそだが、とにかく調教で速い時計が出る=好状態とみて、まず間違いない。ただ残念ながら今回はこれが使いにくい。なぜなら、これまでのようにDWコースオンリーでバリバリと調整を積んできていないから。この中間は爪に不安を抱えていたこともあり坂路併用と今までにないパターンでの調整となっているため、どうも時計だけでは判断しきれないのだ。いやいや、2週前にDWコースで5F65秒台の時計が出ているではないかと思った方もいるかもしれない。だが同馬は美浦屈指のウッドマスター、これぐらいの時計は朝飯前。むしろ、この後に更に速い時計が出せるかどうかが、これまでの判断基準。やはり今回は数字だけに頼れない。となれば、オーソドックスに紐解くしかなかろう。前述した2週前で早々にスイッチオンも悪癖である力む姿はその後に全く見せず。1週前の動きにもメリハリが利いていたし、直前の坂路でもスッと折り合い、いざ追い出せばパワフルな走りと文句なしの動きを披露。それこそ直前をDWコースで行っていれば5F64秒を切っていたのでは。仕上がりは上々。舞台設定も合いそうで注意が必要。


■5枠7番バビット
厩舎:浜田多実雄(栗)
騎手:内田博幸
馬主:宮田直也
生産:大北牧場

ここ2戦が見事なまでの大惨敗となってしまったが、敗因は明白である。あのバテバテになっての入線を見ての通り、この馬には3000メートルも2500メートルも距離が長すぎるということ。そもそもが負担の大きい戦法の使い手でもある。現状のストロングスタイルとも言うべき戦い方を貫くのであれば、やはり押し切れる距離へと舞台を替える必要があろう。そういう意味では、今回の重賞圧勝という実績のある1800メートルへの起用というのは非常に的を射ている。では復帰戦の臨戦過程を見ていこう。疲れを完全に癒して2月初頭に帰厩して乗り込み本数は3本のみ。少ないと言えば少ないが、元々が前向きな気性の無駄肉の付かないタイプ。実際に3走前のセントライト記念時も中間全体の強度としては今回と然して変わなかったことを思えば、ここを不安視する必要はあるまい。ビッシリ追った1週前には坂路で4F52秒5の自己ベストをマークとスピードの質も問題なく戻っているよう。となれば直前はいつものように、サッと流してお釣りを残してのフィニッシュで十分。ボリュームアップした体付きで真一文字に登坂と相変わらずのヤル気満々な姿に一安心。デキに不安なし。適距離なら3、4走前の再現も十分とみる。


■5枠8番ヒシイグアス
厩舎:堀宣行(美)
騎手:松山弘平
馬主:阿部雅英
生産:ノーザンファーム

陣営が言うには、緩めると心身共に元の戦える状態まで戻すのに非常に時間のかかる馬らしい。この辺りが感覚の違いのように思う。簡単な話が堀厩舎のやり方と外厩のやり方が違うということ。外厩の調整法だと同馬にとっては負担が大きい、故に帰厩後にスムーズに積み込めない。おそらく大まかには、このようなことが起きていたのでは。ひ弱いだけに少々のことでも大事となってしまうというのもあろう。だからこそ、この中間は在厩調整。外厩に任せることなく、ずっと手元に置いて調整してきた。約半月かけて疲労を抜き、1月末より調整スタート。そこから週2本ペースを維持して5週で10本と調整は順調そのもの。4週前には早くも5F68秒台の併せ馬と負荷をかけられるのだからシッカリとしてきたもの。かつては中間に負荷らしい負荷のかかった調教など本負荷の1週前ぐらいのものだった。その他は5F70秒前後のソロッとしたものばかり。だが、ここにきて中間で3本はDWコースで5F68秒以上の強度の高い調教をこなせるように。空回りしていた負けん気の強さも、集中力が増し身体もできてきている今なら頼もしいものでしかなくなった。いよいよ心身共に充実してきた感。これなら4連勝しても不思議なし。


■6枠9番サンアップルトン
厩舎:中野栄治(美)
騎手:柴田善臣
馬主:(株)加藤ステーブル
生産:(株)ケイズ

元々がムラのあるタイプである。癖を知り尽くした相棒とも言うべき柴田善騎手と出会ってから、レースでこそ以前のように露骨には見せなくなってきているものの、根本的なものは変わっていないよう。簡単な話が気分屋なのだ。気持ち良く走れていれば調教でもレースでも思っている以上に踏ん張って良いパフォーマンスを見せてくれる。だが、そうでない時が厄介。気分が乗っていないと頭を上げて自らブレーキをかけたりと嫌気を出していることを隠そうともしない。そして後者の挙動を、この中間は見せていたのである。おそらく原因は前走の田んぼのような極悪馬場。あれで気持ちが萎えてしまい、それをそのまま引きずってきたのだろう。1週前の坂路などは追いつこうともせずボケッと登坂する始末。さすがに、これではまずいと陣営も感じたか、21日の日曜にDWコースで急遽3頭併せの真ん中に入れての闘魂注入。刺激を与えてきた。すると直前では先週とは打って変わって僚馬に抜かせずファイトして見せるのだから面白いもの。3頭併せの真ん中に入れるというのは、シンプルなようで非常に効果が高いということか。何はともあれ、事なきを得たよう。絶好調とはいかないものの、2走前のデキにはあり。軽視禁物。


■8枠13番ウインイクシード
厩舎:鈴木伸尋(美)
騎手:横山武史
馬主:(株)ウイン
生産:コスモヴューファーム

今回の一番のポイントは中7週とレース間が空いてしまったことだろう。というのも同馬はズル賢いタイプ、調教だけではスイッチの入り切らないところがあるのだ。その点をどう補ってくるか、鈴木伸厩舎の腕の見せ所と言えよう。とは言ったものの、そこまで画期的なことを求めるのも無茶振りでしかない。仮にそんなことができるのであれば、この厩舎の馬質であれば、とっくの昔にブレイクしている。なので、あくまで冷ややかに今回の調整過程を精査していくこととする。乗り込みとしては3週で5本、初動で3頭併せの実戦形式をこなさせているように、そこまで緩んでの帰厩ではなかったよう。その後も併せ馬中心に順調に乗り込めているように体調に関しては何事もなく整っていよう。だからこそだが、1週前に直前と調教駆けするOP馬デアフルーグを相手に目一杯に併せることで走る気を促すという最低限の工夫も施すことができた。それでも直前ではデアフルーグの脚色が鈍ると同時に気を抜くという相変わらずの悪癖を見せてしまったが、その後に追われると再加速できた辺りが、いつもの久々時よりは走る気があるという証か。




栗山求さん

中山11R 中山記念(G2) 芝1800m OP 別定

◎7バビット
○11クラージュゲリエ
▲1トーセンスーリヤ
△8ヒシイグアス
△13ウインイクシード
△4ケイデンスコール

<見解>
◎バビットは
「ナカヤマフェスタ×タイキシャトル」という組み合わせ。

父ナカヤマフェスタは宝塚記念(G1)を勝ち、
凱旋門賞(仏G1)でもアタマ差2着と健闘したスタミナ型の名馬で、
ガンコ(日経賞)やヴォージュ(万葉S)を出しているが、

本馬は俊敏な身のこなしのピッチ走法で、
母の父タイキシャトルの影響が強く出ているように思われる。

それゆえに、前走の有馬記念(2500m)や前々走の菊花賞(3000m)よりも、
今回の1800mのほうが向いている。

同世代が相手だったとはいえ、
今回と同距離のラジオNIKKEI杯2歳S(G3)は、
後続に5馬身差をつける逃げ切り勝ち。

この距離で気分良く逃げられれば容易に捕まることはない。






「水島晴之の単複で買え」

除外の影響ないサンアップルトンが差す/中山記念

中山11R (9)サンアップルトンの大駆けに期待した。先週のダイヤモンドSを除外されて、こちらに回ってきた。18年新馬4着以来の1800メートルがどう出るかだが、鞍上の指示通り動ける操縦性の良さがあり、克服してもおかしくない。今回、メンコを外すそうだが、それが刺激になれば反応も良くなるはずだ。前走のAJCCは道悪(不良)が影響した。良馬場なら違う。今年は抜けた存在がおらず、位置取り次第でチャンスはある。単勝2000円、複勝3000円。

中山9R (5)カナリキケンが巻き返す。前走のクイーンC(15着)は相手も強いが、マイルの速い流れに対応できなかった。今回は中山の1800メートル。コーナーでうまく息が入れば、長くいい脚が使える。自己条件の牝馬限定なら勝ち負けだ。単勝2000円、複勝3000円。(ここまでの収支 マイナス9万5600円)



【阪急杯】阪神芝1400mコースデータ&注目馬
狩野雄太さん


◆阪急杯のポイント◆
今年の阪急杯(G3)が行われる阪神芝1400mには「穴馬の法則」が存在する。

先週の京都牝馬Sでも「穴馬の法則」が発動した。『前走で1600mで惜敗していた馬』に該当したブランノワール(9人気)が3着に好走。もう1頭の該当馬ギルデッドミラー(5人気)も2着に入った。

阪急杯でも『前走で1600mで負けた馬』が活躍。2017年1着トーキングドラム(7人気)、19年1着スマートオーディン(11人気)など穴馬の激走を含めて、現在5年連続で馬券に絡んでいる。

▼『前走で1600mで負けた馬』の好走(過去5年)
20年3着 ダイアトニック   (1人気)
→前走京都金杯2着

19年1着 スマートオーディン (11人気)
→前走京都金杯10着

同3着 ロジクライ      (2人気)
→前走東京新聞杯10着

18年3着 レッドファルクス  (2人気)
→前走マイルCS8着

17年1着 トーキングドラム  (7人気)
→前走洛陽S4着

16年2着 オメガヴェンデッタ (4人気)
→前走京都金杯12着

また今年の阪急杯は、例年の阪神開幕週ではなく「3週目」に行われる。馬場が使われている分だけ例年よりスタミナが問われる。先週に続いて阪神芝1400m重賞の「穴馬の法則」がハマる可能性が高い。

◆阪急杯の注目馬◆
トライン

前走はマイル戦(東京新聞杯)で先行して5着。京都牝馬Sで3着に激走したブランノワールと全く同じパターンの負け方で、「穴馬の法則」に合致する。芝1400mでの経験が少ないからこそ狙える激走候補だ。


【中山記念】中山芝1800mコースデータ&注目馬
狩野雄太さん


◆中山記念のポイント◆
中山記念(G2、中山芝1800m)は、『逃げ・先行馬』が圧倒的に有利なレースだ。

過去10年で先行馬が8勝。逃げ馬も5頭が馬券に絡んでいる。しかも驚くべきことに、馬券対象になった30頭のうち21頭が4コーナー1~4番手につけていた。

過去3年に限定すると1~3着に入った9頭のうち8頭を『逃げ・先行』が占めており、昨年も上位を独占した。

▼中山記念の脚質別成績(過去10年)
逃げ[0-2-3- 5]複勝率50.0%
先行[8-5-3-19]複勝率45.7%
差し[2-2-3-29]複勝率19.4%
追込[0-1-1-31]複勝率 6.1%

▼1~3着馬の4コーナー位置取り(過去3年)
20年
1着 ダノンキングリー  (1人気) 3番手
2着 ラッキーライラック (2人気) 4番手
3着 ソウルスターリング (6人気) 2番手

19年
1着 ウインブライト   (5人気) 4番手
2着 ラッキーライラック (6人気) 2番手
3着 ステルヴィオ    (2人気) 6番手

18年
1着 ウインブライト   (2人気) 3番手
2着 アエロリット    (5人気) 2番手
3着 マルターズアポジー (6人気) 1番手

ただでさえ前が止まらない開幕週だけに、インを通れる逃げ・先行馬が狙いとなる。特にコーナー4つの1800~2000m重賞で実績のある馬は人気薄でも要注意だ。

◆中山記念の注目馬◆
パンサラッサ

馬券に絡んだ6戦全て4コーナー1、2番手につけていた逃げ・先行タイプ。昨夏のラジオNIKKEI賞(G3、福島芝1800m)では、今回も出走するバビットの2着に入った実績がある。中山記念の穴パターンにピッタリ当てはまる1頭だ。





水上学の血統トレジャーハンティング

日曜中山11R 中山記念(G2)

◎本命馬
①トーセンスーリヤ
(牡6、美浦・小野厩舎、横山和騎手)
メインレースで好タイムが出た中山芝だが、ペースに負うところもあり、馬場自体は昨年の春より少し速い程度とみる。あまり高速馬場を意識しない方がいい。

今年はG1馬不在、レースの格に囚われず、混戦を前提に捻った狙いをしてみたい。半年ぶりの実戦で人気が下がるなら、①トーセンスーリヤが魅力的だ。

気性的に仕上がりは早そうだ。それでいて決してハナにこだわるタイプでもない。父ローエングリンはこのレースを2度制覇し、その代表産駒で皐月賞馬のロゴタイプは中山記念で3度3着以内に入った、いわば「中山記念血統」だ。母方も急坂に強い血統で、近親にはダートで一流だったエムアイブランも出ている牝系、パワーの要素も高い。

息を入れながらメリハリのあるラップに対応できる器用さがあり、この枠もベスト。今年のメンバーなら、十分通用していい。G2馬の称号を掴む絶好の機会が訪れた。

$お宝馬
④ケイデンスコール
(牡5、栗東・安田隆厩舎、岩田康騎手)
この馬もまた中山記念にふさわしい血統だ。伯父バランスオブゲームは、ローエングリン同様に中山記念2勝で3度連対。さらに近親には、やはりこのレースを連覇したウインブライトの父ステイゴールドがいる。良馬場ならマイル寄りのスピード馬が上位に入る傾向のあるレースでもあり、前走で大幅なイメージチェンジを遂げたこの馬にチャンスは出てくる。急坂経験の不足も、血統からはクリアできると考える。

相手上位は ⑧ヒシイグアス、⑪クラージュゲリエ。 押さえに ⑫パンサラッサ、⑬ウインイクシード、⑦バビット。





境和樹の穴馬券ネオメソッド

【日曜】阪神11R 阪急杯(GⅢ)(芝1400m)

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前傾~平均ラップから持続力比べになるのが阪急杯のデフォルト。求められる要素はスピードの持続性能であり、血統的には欧州血統とノーザンテーストの血がポイント。

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まずは欧州血統。ダンシングブレーヴ、サドラーズウェルズにトニービンといった具合に、凱旋門賞レベルの底力を有した血統が頻繁に馬券に絡みます。
これは同時期に行われるフィリーズレビューでも同様の傾向が出ており、この時期の阪神芝1400重賞に総じて強いと考えられます。
実際、先週同じ舞台で行われた京都牝馬Sでも、母父にサドラーズウェルズ系シングスピールを持ったブランノワールが9人気3着と穴を開けています。

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その欧州血統に対抗する勢力がノーザンテースト。

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昨年は、6人気で勝ったベストアクターが母母父にノーザンテーストを内包していました。
ノーザンテーストの武器といえば高い総合力。その総合力を武器に、タフな持続戦を乗り切るイメージです。

欧州血統とノーザンテーストの血に注目して候補馬をピックアップ。

③カツジ
(母父ホワイトマズル)

⑥ミッキーブリランテ
(母父ダンシリ)

⑦クリノガウディー
(母母父メジロライアン)

⑧レシステンシア
(父ダイワメジャー)

⑨タマモメイトウ
(母父メジロライアン)

⑬ジャンダルム
(父キトゥンズジョイ)

⑯メイショウキョウジ
(父ダイワメジャー)

⑰ベストアクター
(母母父ノーザンテースト)

⑧レシステンシアは、父がノーザンテースト系サンデーのダイワメジャー。また、母母父にサドラーズウェルズ系ポリグロート。このポリグロートは、12年の凱旋門賞馬ソレミアの父という底力のある血統です。

阪神JF勝ちに加え桜花賞2着など4歳世代の牝馬でも屈指の実力馬でありスピード馬。内前有利の傾向が強い今の阪神にもマッチしており、強敵相手でも押し切りが期待できます。


中山11R 中山記念(GⅡ)(芝1800m)

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中山記念というレースは、一にも二にも適性が問われるレース。

そのことを如実に示す事実が、リピーターが生まれやすいということ。

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昨年も、前年2着馬のラッキーライラックが連続好走。18年、19年はウインブライトが連覇を達成し、ロゴタイプは3度も馬券になりました。
上記表より昔に遡っても、フジヤマケンザン(94年3着、95年1着)、ダイワテキサス(99年2着、00年1着)、アメリカンボス(00年2着、01年1着)などが複数回好走を達成。これまで14頭のリピーターが誕生しています。

リピーターレースは、特殊な適性が問われるからこそ生まれます。
だからこそ、その特殊な適性を持った馬が何度も馬券になるわけです。今年は残念ながら過去に中山記念で好走した馬の出走はありませんが、来年以降、再び思い出すべき重要テーマであると同時に、それだけ特殊な適性が求められるレースであるという認識は今年も変わることはありません。

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その特殊な適性を見出すヒントが、同距離である芝1800重賞実績。
昨年の勝ち馬ダノンキングリーは共同通信杯勝ちの実績がありましたし、18、19年に連覇を達成したウインブライトは、3歳時に同コース重賞のスプリングSを勝っていました。
中でも、18年5人気2着アエロリットや18年6人気3着マルターズアポジーのように、コースレイアウトが近いコーナー4つの1800重賞勝ち馬は特に重視しなければなりません。

中山記念が求める特殊な適性を持っていると考えられる芝1800重賞勝ち馬を候補馬として抽出。

⑤マイネルハニー
(チャレンジC)

⑦バビット
(ラジオNIKKEI賞)

⑦バビットは、今年のメンバーで唯一、コーナー4つの芝1800重賞を勝っている馬。中山の非根幹距離重賞セントライト記念を勝った実績も見逃せません。
そのセントライト記念は、当時3日間開催の中で唯一の逃げ切り勝ち。菊花賞は距離が長すぎただけ。有馬記念は強力メンバー相手とともに情状酌量の余地アリ。ここは堂々と逃げ切り勝ちを決めてくれるでしょう。






採れたて!トレセン情報

関西事情通のちょっとイイ?話
阪急杯(G3)
これが乗り替わりの真相!
結果に拘る騎乗で逆転可能


日曜日は東西で先のGIに向けたステップレースが行われる。

阪神では高松宮記念のステップレース、阪急杯。暮れの阪神カップと同じ舞台で行われる。

その阪神カップで、ローズステークス以来の久々の勝利を上げたダノンファンタジーが参戦。

この後は、距離を延ばすよりは短い方が折り合いが付きやすいという事で高松宮記念を予定している。

実は、ここと次の高松宮記念では、前走手綱を取っていた藤岡佑介騎手で決まっていた。

ところが、中山記念のダノンキングリーで中山へ遠征を予定していた川田騎手が、ダノンキングリーの回避により体が空き、中山記念の他の陣営から声が掛かっていたものの、「出来ればダノンファンタジーに!」とオーナーサイドに打診し、中山では無く急きょ阪神に切り替えた経緯がある。

スプリンターズステークスの時のこのコーナーで、

「セントウルステークスの直前、川田騎手とオーナーサイドで話し合いがもたれ『今後はダノックスの馬は優先的に川田騎手が乗る』という事でまとまったそうで、それがダノンスマッシュの乗り替わりの真相であり、シリウスステークスのダノンスプレンダーの乗り替わりもそう、そして少し先の話だが、東京スポーツ杯2歳ステークスに出走を予定しているダノンザキッドも川田騎手で内定している」

という話をお伝えしたが、オーナーと契約ジョッキーの様な関係なゆえに、こんな芸当もできるのだろう。

なお、本番の高松宮記念ではダノンスマッシュがいるので、順調に出走してくる様ならダノンファンタジーの鞍上は藤岡佑介騎手に戻ることになる。ゆえに、川田騎手にしてみればココ1回の騎乗、しかもここまでして乗るだけの結果に拘る騎乗を魅せてくれる事だろう。

恐らく1番人気はインディチャンプだろうが、先を見据えた余裕の出走と思われるだけに、ダノンファンタジーの逆転は十分にあり得る!注目してみたい。


美浦『聞き屋』の囁き
中山記念(G2)
さすが「持っている!」
勝てる騎手の手綱捌きは必見


GⅠ勝ち馬の参戦が1頭もなく出走馬15頭に対して重賞勝ち馬は5頭だけ。

しかも、GⅡ勝ちやGⅠ連対などではなくGⅢ勝ち馬ばかり。

中山記念と言えば、札幌記念や毎日王冠と並ぶスーパーGⅡだったが、今年のメンバー構成を考えるとGⅢレベルのGⅡだろう。

出走していれば1番人気であっただろうダノンキングリーの回避が残念でならない。

ダノンキングリーは昨年の中山記念を完勝して迎えた大阪杯では1番人気で3着。

その後の安田記念と天皇賞・秋では足元の不安で本来の走りができずに休養へ。

復帰に向けて調教を重ねてきたが、中山記念の2週間前に回避を表明。

鞍上には川田騎手を確保していたほどで、復活ののろしを上げる態勢は整っていた。

ダノンキングリーの回避によってレベルが低下。一気に混戦ムードとなってきた。

本命候補はヒシイグアスとクラージュゲリエだろう。

3連勝でGⅢ中山金杯を制したヒシイグアス。

ハンデ戦の中山金杯が54キロで今回は別定戦で56キロ。

斤量面では2キロ増だが、順調度と充実度を考えれば2キロ増が大きく響くことはないだろう。

昨年末から堀厩舎の依頼が増えている松山騎手とのコンビも継続。

昨年の牝馬3冠を制して以降、ルメール騎手に次ぐ2位の座を川田騎手と競うほどの活躍。

特に今年に入ってからはより活躍が堅調で、現在も先週末の時点で全国リーディング2位。

ノーザンファームを含めて多くのトップステーブルからの依頼が殺到しており、堀厩舎もそのうちのひとつ。

GⅠ大阪杯へのステップとして好調な騎手と厩舎が4連勝を狙っている。

最終的にはフルゲート割れで出走となったクラージュゲリエだが、もともとは除外候補だったのだ。

補欠2番手からスタートして上位2頭が故障で回避、1頭が別のレースへ回ったので15頭中15番目ではあるが無事に出走へとこぎ着けることができた。

このあたりがルメール騎手のすごいところ。

ファンの方の多くが出走順などのことはわからないと思うが、いつの間にか馬柱にルメール騎手の名前が載っている、そんな流れができる。これが「持っている」騎手の強みのひとつだろう。

全国リーディング1位のルメール騎手と2位の松山騎手が有力馬に騎乗しての対戦。

メンバー的にはGⅢのようなGⅡだが、勝てる騎手同士の手綱捌きで魅せる競馬に期待したい。






日曜メインレース展望・柏木収保

【中山記念予想】この距離で真価を発揮するフェアリードールの一族

メンバーに恵まれたここは絶好のチャンス


 伝統のGIIだが、今年は珍しくGI勝ち馬のいない組み合わせ。GI快走の記録を持つ馬もケイデンスコール(2019年のNHKマイルC2着)、ノーブルマーズ(2018年の宝塚記念3着)の2頭だけ。多くの馬にチャンスがある組み合わせになった。

 ここで復活したい5歳クラージュゲリエ(父キングカメハメハ)に期待したい。3歳春の2019年、皐月賞5着(0秒6差)、日本ダービー6着(0秒6差)のあと、脚部不安が長引き、出走取り消しもあり、実戦復帰は1年5カ月後の4歳の秋だった。まだ9戦だけ。

 距離1800mは【1-0-2-1】にとどまるが、長期休養明けの3走前の10着は1分46秒6(0秒5差)。0秒1差2着だった前々走のアンドロメダS2000mの1800m通過は推定1分46秒7だった。だが、前走の日経新春杯2200mは時計以上にタフなレースとなり、先頭に並んだ残り1ハロンで鈍って3着止まり。

 これに、坂上から伸びを欠いた日本ダービー2400mのレース内容を重ね合わせると、もう少し短い1800m前後の方が合っている可能性が高い。

 3代母フェアリードールから発展したファミリーは大きく広がり、一族のこなす距離の幅は広いが、中山牝馬S、福島牝馬Sを勝った現5歳フェアリーポルカ(父ルーラーシップ)。同じく中山牝馬Sのトーセンビクトリー(父キングカメハメハ)。その兄で14年の弥生賞を制したトゥザワールド(父キングカメハメハ)など、近年の活躍馬にはキングカメハメハ系の種牡馬を配されて中距離1800-2000mに適性を示す産駒が多い。どちらかというと2400m級の長距離戦は好まない傾向がある。

 クラージュゲリエ(父キングカメハメハ)には、14番人気だった2019年皐月賞5着(サートゥルナーリアから0秒6差)の中山コースと、短めの中距離の適性がある。直前の追い切りこそ平凡だったが、調教はそう動かない。GI馬の見当たらないメンバーに恵まれたここは復活を告げる絶好のチャンス。

 週半ばまで、狙った中山記念の出走馬決定順位はフルゲート16頭に対し、最初の登録では18頭中18番目。おそらく除外だろうと思われたが、次つぎと回避馬が出た結果、ルメール騎手とのコンビで出走がかなった。こういう流れは、これまで決して幸運とはいえなかったキャリア9戦の5歳馬に、大きな味方になるはずだ。

 同じ5歳のヒシイグアス(父ハーツクライ)が最大の強敵。こちらは距離、コース適性に加え勢いがある。ただ、どの馬も決して信頼性が高いとはいえず、好仕上がりのトーセンスーリヤは父ローエングリンが中山記念「1着、3着、1着」、ケイデンスコール(父ロードカナロア)は、母の半兄バランスオブゲームが中山記念「2着、1着、1着」など、隠れた適性を秘めていそうな馬は候補に入れたい。もちろん、先行のバビットも。

「阪急杯」1400mは、今回は前回とは乗り込み量も、動きも違う54キロの4歳牝馬レシステンシア(父ダイワメジャー)が主軸。まず崩れないと思える。相手本線も同じく1400m2戦2勝の牝馬ダノンファンタジー(父ディープインパクト)。妙味は1400mで巻き返しがありそうなクリノガウディー。
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