【東京新聞杯】遅れてきた大器が覚醒
◎本命馬
⑤インダストリア
近年、出世レースとなっている東京新聞杯。今は単なる真冬の谷間重賞ではなく、ヴィクトリアマイル、安田記念で勝ち負けまで狙える素質を持った、しかも出世が遅れていた一流マイラー候補が、賞金をここで積んで出走を確定、ひと息入れて臨むためにちょうど良い選択となっている感(もちろんマイラーズCを使うにも好ステップだ)。
今年はいつになくそんな馬が揃った。軸選びは悩ましいが、インダストリアを指名したい。
中山巧者のイメージが付いているかもしれないが、中山での走りはかなり窮屈で粗削り。たまたま能力の違いで勝っているだけで、本質は広いところでこそ切れるタイプだ。前走も立ち回りが遅れて直線入り口では前が壁、絶望的な位置だったが、坂下で前が開くや超絶の切れ。前残り決着だっただけになおのこと素晴らしい内容だった。迷走したユニコ―ンS出走後に思い切って休んだことが正解だったと思う。
血統は、父が2017年以降1勝、3着3回のキングカメハメハ系に、母の父は、産駒がこのレースで4連対と、相性の良さを誇るハーツクライ。おまけに近親には一昨年勝ち馬、去年3着のカラテもいる。サッカーボーイやステイゴールドらを擁する名牝系だ。
ここで賞金を積まないと厳しい状況だけに、勝ち切りを期待したい。
$お宝馬
⑭エアロロノア
人気の一角にはなりそうだが、5番人気あたりと思われるので、敢えてお宝馬とした。
父キングカメハメハについては前述の通り。さらに近親には、このレースの2着馬エアシェイディ、3着馬エアスピネルらがいる血統だ。母の父がやや淡白なタイプで、東京のマイルでは少し甘くなりそうだが、安田記念7着とはいえ0秒2差なら十分通用していい。
上位評価
③ジャスティンカフェ
押さえに
⑯プレサージュリフト、⑮ナミュール、④ピンハイ、⑥マテンロウオリオン、②ウインカーネリアン、⑫シュリ
境和樹の穴馬券ネオメソッド
東京11R 東京新聞杯(G3)(芝1600m)

以前はダンシングブレーヴを筆頭とした欧州スタミナ血統の存在感が大きかった東京新聞杯ですが、近年はは、ハーツクライとダンチヒ系が特注血統。
ラップ推移を見ても、直近の東京新聞杯における傾向変化は明らかと言えます。

直近4年と、それ以前の4年を対比すると、その差は一目瞭然。以前はハッキリとした後傾ラップだったのに対し、19年以降は前後半差の少ない平均ラップに近くなっています。後傾ラップとなった近2年にしても、その差は18年以前の4年間より小さいことが分かります。
また、18年以前と19年以降を比較すると、前半4Fのタイムに1.0~3.0秒程度の差があるのに対し、後半4Fのタイムはほとんど同じだということが分かります。このことから、全体時計が高速化しているという点もポイントとして浮上します。
そして、傾向が変化した19年以降、勢力を拡大しているのがハーツクライ産駒とダンチヒ系保持馬。

昨年は4人気で勝ったイルーシヴパンサーがハーツクライ産駒。一昨年は12人気2着カテドラルを含み2頭が同時好走。一昨年、20年と連続好走を果たしたシャドウディーヴァも、やはりハーツクライ産駒でした。

昨年は結果を出せなかったものの、ダンチヒ系も近年の活躍が目立つ系統。21年の12人気2着カテドラルは母父が同系統のロックオブジブラルタル。21、20年に連続好走したシャドウディーヴァも、母父はダンシリ。
20年は4人気の勝ち馬プリモシーン(母父ファストネットロック)、6人気2着シャドウディーヴァ(母父ダンシリ)と、ダンチヒ系保持馬のワンツー決着となりました。
19年は4人気3着サトノアレスが母父デインヒルで該当。惜しくも馬券にはなりませんでしたが、10人気で4着だったロードクエストも、母父は同系統のチーフベアハートでした。
今年も、ハーツクライとダンチヒ系に絞って候補馬を抽出します。
⑤インダストリア
(母父ハーツクライ)
⑨ショウナンマグマ
(父ザファクター)
⑫シュリ
(父ハーツクライ)
⑭エアロロノア
(母父ロックオブジブラルタル)
⑮ナミュール
(父ハービンジャー)
⑯プレサージュリフト
(父ハービンジャー)
ダンチヒ系ハービンジャー産駒の⑯プレサージュリフトを狙います。
前走の京都金杯は、これまでのイメージを一新する積極的な競馬で押し切りを狙ったものの、ラストで後続に捕まって3着。
しかし、半マイル46.0-46.7秒の前傾戦を先行して大きく崩れなかった内容は、敗れはしたものの勝ちに等しいものでした。能力の問題はあるにせよ、他の先行馬は14~16着とシンガリから名を連ねています。
デビューから2連勝の内容も含めて、やはりこの馬の能力を最も発揮できる舞台は左回りのマイル戦。前走一発で評価を落とす必要はなく、改めて注目する必要があるでしょう。
馬券情報・最前線(美浦編)
ググっても出ない馬券話
東京新聞杯
春のG1へ余力を持って挑める馬は!?
例年以上に好メンバーが揃った今年の東京新聞杯。
ヴィクトリアマイルや安田記念など、G1へ向けて間隔を空けて挑むという傾向強くなっており、いかにトライアルレースを使わずに消耗が少ない状態で出走できるか、これが近年の流れになっている。
東京新聞杯の勝ち馬もG1へ直行する可能性が高い。
好メンバーが揃った理由、それは、G1へ直結する重要なステップレースだから。
3連勝でG1へと挑んだウインカーネリアンはスタートで後手を踏んで流れに乗れないまま惨敗。
不利もあったが、自分の競馬ができなかったことが大きな敗因。
この中間は三浦騎手が付きっきりでしっかりとゲート練習を積んでいる。
管理する鹿戸調教師は半信半疑といった表情で「合格はしたが、まだ油断できない。頭がいい馬なので試験では大人しいが、本番ではどうか。五分に出てこの馬の競馬ができれば勝負になるが…」と煮え切らないコメント。
たしかに、ゲートが悪い馬は、練習ではなにもせずに合格して、本番で悪癖を繰り返すパターンが多い。
サクラトゥジュールは田辺騎手とコンビを組んで内容が一変。
掛かる馬で乗りこなしが難しいタイプだったが、田辺騎手が騎乗すると我慢が利いて脚質転換に成功。
特に前走は中山マイルでは滅多に見られない上がり33秒台。
これだけの脚を使えるなら東京の方が向くのではないかと、堀調教師と田辺騎手が話しあって東京新聞杯へ。賞金的にギリギリで16番目での出走。当初の想定では除外候補だったが、上位に回避が出たため出走が可能となったあたり、運を持っている。
中山で使えた豪脚を東京でも使うことができれば大外から届くのかもしれない。
プレサージュリフトは前走後、予定どおり天栄ノーザンファームへ。
10日前に厩舎へ戻るといういつものパターン。
会員が多いクラブの馬だけにクラシックを使わないという選択肢はなかったため、オークス、秋華賞は明らかに距離が長いと分かっていても出走。結果は見せ場まで。
適性距離ではなくても見せ場を作れるのは能力があるからで、マイルへと舞台を戻した前走は強い内容での3着。結果的に仕掛けが早かった分差されはしたが、マイラーとしての素質は示した。
ヴィクトリアマイル、安田記念を見据えた大事なトライアルレースを制するのはどのコンビか。目が離せない。
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関西の事情通が思惑の真相に迫る!
東京新聞杯
この鞍上起用は…!?
日曜日、東京でも伝統の重賞東京新聞杯が行われる。
東京芝マイル戦は、5月に3つのG1が行われる日本でも有数のメジャーな舞台。年明けの始動戦となる馬が多いここは、毎年好メンバーが揃う。
特に、ヴィクトリアマイル・安田記念を睨む明け4歳馬は、近年のこのレースの好走馬を見ても注目と言えるだろう。
今年も活きのいい明け4歳馬が6頭も挑んできている。
その中でも…
まだ重賞勝ちは無いものの、ピンハイには注目してみたい。
重賞勝ちは無くとも、チューリップ賞では恐らくここで上位人気になるナミュールの2着、桜花賞では先着する5着、オークスではナミュールに続く4着と、昨春はそのナミュールと差の無い競馬を見せ、秋は秋華賞こそ除外になるも、自己条件をスローの展開を後方から脚力の違いで差し切るという強い競馬で圧勝。エリザベス女王杯は馬場と距離で大敗を喫したものの、人気の差ほどナミュールとの差はない。
そしてもうひとつ注目なのが鞍上。
もともとは高倉騎手が主戦だったが、秋の2戦は川田騎手が手綱を取ってきた。トップジョッキーが、自己条件だけでなくG1の舞台でも騎乗したことは、それだけ能力のある馬という証でもある。
今回は、川田騎手は昨日お伝えしたフリームファクシに乗るため騎乗できなくなり、改めて鞍上を探すことになったのだが…
ピンハイを管理する田中克典師と言えば、奥さんが矢作師のご令嬢、どうやらその関係から矢作師の弟子である坂井瑠星騎手の起用となったようだ。
それはもちろん、期待があるからこそのことでもあるだろう。
明け4歳馬の走りが注目の東京新聞杯だが、中でもこのピンハイと坂井瑠星騎手には注目してみたくなる!
日曜メインレース展望・柏木収保
【東京新聞杯予想】歴史的名馬が名を連ねる伝統の一戦
主軸となるのは過去好走歴の多い4歳馬か
今年73回に達する伝統の一戦。ハクチカラ、タケシバオー、アカネテンリュウ…など、歴史的名馬が勝ち馬に並ぶ。第1回1951年の勝ち馬は、のちに大種牡馬となる5歳牡馬トサミドリ(父プリメロ)であり、二冠制覇を中心に21勝目だった。だが、負担重量はもっとも軽い53キロと記録されている。別定の仕組みが違ったのだろう。
現代の東京新聞杯は過去10年、4歳馬が5頭出走したことが4回ある。その4回、すべてベテランを押しのけて出走できた4歳馬が勝っている(2着馬も3頭)。
今年は4歳馬が近年では例のない6頭も出走する。それもGIで連対実績のあるナミュール、マテンロウオリオンを含めてである。パターン通りなら4歳が主軸だ。
しかし、まだ年度(年齢)が変わったばかり。上昇の魅力が大きい4歳馬と大差ない若い5歳馬もいる。中でもジャスティンカフェ(父エピファネイア)は成長を促しつつ大事に出走する厩舎なので、5歳でも12戦【4-4-1-3】。まだ十分に若い。
全4勝が1600mであり、4走前の湘南S(3勝クラス)を1分32秒3で圧勝したレースを中心に、1分32秒台が3回もある。
2走前のGII毎日王冠1800mは、サリオスのコースレコード1分44秒1と0秒1差の2着だが、あのとき追い込んで先頭に並んだ残り200m通過も自身は1分32秒3だった。東京コースこそベストのマイラータイプとしていい。
前回のマイルチャンピオンSはスタートで挟まれて下がり、最後の直線は前が詰まってブレーキ。二度のロスがあった。能力を出し切っての0秒4差ではない。
近年の4歳馬攻勢は知れ渡り、4歳馬軽視は絶対にできないが、みんな上位人気。
怖いのは人気落ちの6歳馬。エアロロノアは昨年の安田記念0秒2差など、目下4戦連続してマイルを1分32秒台で乗り切っている。サクラトゥジュールは田辺騎手で脚質転換に成功した。馬場差があるとはいえ、3歳時に東京で1600m1分31秒7がある。
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